レコードID
RB00013924
言語
日本語
タイトルヨミ
ダイ ナポレオンゾウ シ
別タイトル
ローマ字タイトル: Dai Naporeonzō shi
英語タイトル: Portrait of Napoleon
著者
佐久間象山自筆
参照形
佐久間, 象山||サクマ, ショウザン||Sakuma, Shōzan
冊数
1
形態・版情報
写 軸物(紙本・裂装)・箱入
182×95cm(全体の大きさ260×110cm)
写刊の別
写
内容記述
佐久間象山は、松代藩士で、文化8年(1811) 2月生まれ、通称啓之助、後に修理と改め、象山と号した。幼時より俊敏穎悟で、松代藩家老鎌原桐山について経書を学んだ。天保4年(1833) 11月、江戸に遊学し、林家の門に入り、佐藤一齋について文章を修めた。この頃から、朱子学の窮理を重んずる傾向に深い興味を抱いたようである。天保7年(1836) 正月、帰藩したが、天保10年(1839) 2月、再び江戸に出て、神田阿玉池に帷を垂れて師弟を教育し、学名をあげた。天保12年(1841) 藩主眞田幸貫が老中となり、天保13年(1842) 幕府の海防掛になると、象山は、その顧問として貢献した。この年江川太郎左衛門の門に入って西洋流の砲術を学び、弘化元年(1844) には、蘭学を志し、黒川良庵について、原書を読破する力を養い、兵書・砲術・医術等を中心に海外の知識を得た。嘉永3年(1850) より、蘭学・砲術の教授を始めると、名声を聞いて多数の入門者があった。嘉永6年(1853)、ペリーの渡来によって、海外の事情を探索する必要を痛感した象山は、吉田松陰に海外渡航を勧めた。そのため、松陰は安政元年(1854) 3月、下田から米艦に便乗しようとして失敗し捕らえられ、象山も江戸天馬町の獄に入れられ、後、藩地での蟄居を命じられ、以後9年にわたって拘禁された。その間、時局の急変を静観し、専ら読書に没頭して科学的知識を深め、固陋な攘夷論を排斥して開国を主張し、内においては国力を充実、外に向かっては国威の伸張を図るべきことを念願とした。やがて赦免され、元治元年(1864) 3月、幕府の召命に応じて京都に上り、朝廷の貴紳、幕府重職に国事意見を進言したが、時恰も禁門の変の直前であり、情勢は険悪の気を孕んでいた。象山は毅然として自身の所信に邁進したが、言動が攘夷の志士の憤激を買い、7月11日、三條木屋町で兇刃に倒れてしまうのである。54才であった。
この作品は、象山の遺した詩文の中でも特に有名なもので、安政元年(1854) 蟄居を命ぜられた頃の作だと思われる。天保13年(1842) 頃までは鎖国攘夷論者であったが、世界の大勢を達観するに及び開国進取の方針を主張、国防の強化と国威の宣揚を図り、西洋の学術技芸の長を採って、我が文化の新生面を開拓しようとするに至った。外国の強圧に屈して、開国しようとした幕府とは異なり、我が国の独立を鞏固にしようとする、真の開国進取論を高唱したのである。この那波利翁(ナポレオン)の詩は、開国進取論の先覚者としての象山を物語るようである。即ち、大意として書き下してみると、平生欽慕していた英雄ナポレオンの遺伝(伝記) を読んで、慨歎に堪えざるものあり、今や、外警頻りに至り、外蕃の学芸老朽を極め、我が国独り旧慣を守株して他の長を師とするを知らず、片々たる矮舟を以て強大なる外艦を制することはできない。ナポレオンは元来一書生より起こり、苦学勉励、時弊をあらため、民福をもたらし、四方を征服して威信を欧州全土に及ぼし、一朝露国遠征に敗れて失脚するといえども、今日斯かる英雄を我が国の将となし、諜(はかりごと)を同じくし、力をあわせて奸兇を駆逐すれば、ついには五大州を席巻して皇朝に帰属せしめ、皇朝をして永く五大州の宗主たらしめることができるであろう。というものであった。気宇宏闊にして抱負の遠大な象山の面目躍如たるものがある。
This lines was written by SAKUMA SHOZAN (1811-1864), and especially famous among all of his poetry. It is said that SHOZAN wrote it while he was forced to stay in his house. This lines shows SHOZAN's attitude toward controversy on opening Japan, because he expressed that Japan should have a hero like Napoleon.
注記
吉田松陰とその同志展
維新DBリスト:未展示品19
請求記号
尊/軸175/貴
登録番号
1799362
リストNO
未展示品19
所蔵
京都大学附属図書館 Main Library, Kyoto University
コレクション
サブコレクション
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